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「デイジー」感想&レポート完全版(チョン・ジヒョンさん、チョン・ウソンさん主演の韓国映画、アンドリュー・ラウ監督)ネタばれ全開

そろそろ映画「デイジー」を観終わった方が増えてきたと思いますので、ネタばれ全開モードの感想を書きたいと思います。(^_-)-☆

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映画「デイジー」は2人の男に愛されるヒロインのヘヨン役に「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンさん、殺し屋のパクウィ役には「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンさん、刑事のジョンウ役に「氷雨」のイ・ソンジェさんがふんし、どうにもならない運命に流される男女の悲哀をつづった作品です。
この設定を聞いたときに、殺し屋という存在が関わっている三角関係なので、99%ハッピーエンドはないなあと思いました。3人のうちの1人、もしくは2人が死ぬパターンが最も自然な流れかと思います。誰も死なないパターンとしては、パクウィが逮捕されて終身刑となるというパターンが考えられます。いずれにしても、ハッピーエンドではありません。
韓国の作品の特徴として、主人公が死ぬというパターンが多いのですが、殺し屋が恋愛に関わっているという設定のため、最終的な結末も無理やり殺しているというイメージにはならないので、不自然に感じることなく、受け止めることができました。
ただ、1箇所、私も自然に感じることはできなくて、突っ込まれても仕方なしというところがありますが、それは後ほど触れたいと思います。^_^;

まず、最初、何から始まるのかなあと思ったら、オランダののんびりとした田舎道をヘヨン(チョン・ジヒョンさん)が自転車で風をきっているシーンから始まりました。
オランダという国は日本や韓国と比べ、労働時間が短いそうです。そして、オランダ特有の美しい風景。どことなく外見的にも内面的にも、のんびりとしたいい雰囲気が漂っていて気持ちよい映像でした。
そして、雨宿りの場面に切り替わります。ここのヘヨンのナレーションは凄く重要だと思います。
映画「デイジー」に疑問をもっている方の声の一つとして、ヘヨンはなぜ顔も名前も知らないデイジーの送り主をあそこまで純粋に愛することができるのか?ということがあると思います。そして、ぎこちない態度のジョンウをなぜデイジーの送り主と思い続けてしまったのだろう?ということも疑問点としてあげられると思います。

しかし、その理由は最初のナレーションからある程度推測できます。
「私は傘が嫌い・・・・・・・」
その他、心配してくれる人がいないなどいろいろなことを言っていましたが、このナレーションからは過去になんらかの深い悲しみを味わっているということが伝わってきます。映画「デイジー」ではヘヨンのバックグラウンドに関してはあまり描かれていません。なぜ、オランダに住んでいるのか?両親は?などということも触れられていません。
しかし、最初のナレーションからさまざまなことが想像できます。「デイジー PHOTO BOOK」でチョン・ジヒョンさんは、
「韓国からオランダに養子縁組で行っている子供がたくさんいる。ヘヨンがそういった子供の一人と考えたら役作りがしやすくなった」
とコメントしています。
ヘヨンが養子縁組でオランダに渡ったのかどうかは分かりませんが、原作のクァク・ジェヨンさんが、なんらかの深い悲しみを味わったことのある孤独な女性という雰囲気を最初のナレーションで描きたかったことはほぼ間違いないと思います。
そのため、人恋しさというものがおそらくあったのだと思います。ジョンウのことをデイジーの人と信じ込んでしまったのもこのためではないかと思います。
ラストに流れる「Daisy」という歌の出だしに
「ずっと待ちこがれていた恋」
というのがありますが、これは単純に「デイジーの人」を待っていたということだけではなく、幼いときから自分の精神的支柱になってくれる人を待っていたという意味だと思います。

韓国では「喜怒哀楽」の他に「恨(ハン)」という感情があるそうです。
映画「デイジー」からも「恨(ハン)」というものが伝わってくる部分がありました。

このヘヨンの最初のナレーションを重くみた人と軽くみた人では、作品全体の印象がかなり異なってくると思います。

その後はヘヨンの現在の生活の説明などがあって、ジョンウとの出会いのシーンへとつながっていきます。
ジョンウは優柔不断な部分は少々ありますが、根本的な性格はものすごく誠実という感じに描かれています。
ヘヨンはジョンウにデイジー畑での出来事や毎日デイジーが届くことなどを伝え、その人は近くにいると告げます。しかし、ジョンウは自分がデイジーの人だというウソをつこうとしません。逆にそうではないとちゃんと告げようともしません。このシーンではジョンウの優柔不断なところと誠実なところが混ざっているところが描写されています。
しかし、ついにジョンウは自分が「デイジーの人」ではないということをヘヨンに伝えようとします。
しかし、そのときのパクウィの一発目の銃弾がこだまします。パクウィはジョンウが狙われていることに気がついて、近くにいるヘヨンも危険だと判断して発砲したと思われます。
そして、激しい銃撃戦の末に、ヘヨンは永遠に声を失うことになってしまいました。
ヘヨンにとんでもない不幸が訪れたのに、こんなことを言うのは本当に申し訳ないのですが、ここが映画「デイジー」で私が唯一不自然に感じたところです。^_^;
もちろん、ジョンウのやっていることから考えて、狙われたりすることは考えられるので銃撃戦が起こったこと事態は自然な流れだと思います。そして、あれだけの銃撃戦なので、近くにいたヘヨンが巻き込まれてしまうというのもある意味当然なのですが、頭に当たって死亡とか、手や脚に当たって怪我をするというパターンではなく、わざわざ声を失う設定にしたという感じがします。^_^;
これは、いまさら言うまでもありませんが、チョン・ジヒョンさんは感性豊かな表情と抜群の身のこなしが魅力の女優さんです。おそらく、その部分を徹底的にみせたかったために声を失うという設定にしたと思われます。^_^;

この銃撃戦でヘヨンは入院することになり、ジョンウは韓国に帰国します。
そして、ヘヨンが入院している病院の病室を外から車に寄りかかりながら見つめる男性が登場します。
日本全国のチョン・ウソンファンの皆様、お待たせしました!という感じです。^_^;
主演にも関わらず、ここまでほとんど登場しなかったのは、「デイジー」の花言葉の一つ「内に秘めた恋」というのがこの作品の大きなテーマとなっているからだと思います。3人の中でも特に内に秘めているという印象が強いのがパクウィだと思います。
映画「デイジー」ではヘヨンだけでなく、パクウィやジョンウもナレーションを担当する形式にしています。「内に秘めた恋」というのが大きなテーマなので、台詞は3人とも決して多くはありません。そのため、3人の感情が観ている人に分かりずらくならないようにするために、ナレーションというものを利用している感じがしました。
パクウィのナレーションの内容は、パクウィのやっている仕事やヘヨンとの始めての出会いなどについてで、なぜ、殺し屋になってしまったのかということに関しては説明がありませんでした。この点については「デイジー完全ノベライズ」に書かれていますので、ぜひ、読んでみてください。
さて、パクウィの行動ですが、受け取り方によってはというか、ストーカー行為と言われてしまっても仕方がない部分もあるかと思います。^_^;ストーカーか?そうではないか?の区別はものすごく難しいことだと思いますが、映画「デイジー」では、ヘヨンが「デイジーの人を待っている」という設定になっています。そのため、パクウィはストーカーではないという考え方もできると思います。もし、逆にヘヨンが「デイジーの人を待っている」という設定ではなかった場合は完全なストーカー行為になってしまうのではと思います。^_^;
そして、ついに広場のヘヨンの前に座るパクウィ。このシーンはどきどきしました。^_^;
チョン・ジヒョンさんとチョン・ウソンさんの繊細なパフォーマンスが光った場面だと思います。もう何度もCFやCMなどで一緒に仕事をされているので、逆にこういったシーンのパフォーマンスは難しいと思うのですが、二人ともさすがです。(゜o゜)
毎日ヘヨンを迎えに来るようになるパクウィ。そして、ついにヘヨンからなんと夕食に誘われることに。(^_-)-☆しかし、その日はパクウィにとっては仕事日というなんという皮肉な・・・・・・^_^;。夕食の途中で「すぐ戻るから」とヘヨンに告げ、外に出て行くパクウィ。外に出てみると、なんと、まだ明るいではありませんか〜(゜o゜)。一瞬とまどいましたが、オランダという国は日没午後10:00くらいになることもあるというのをなんとか思い出しました。^_^;
仕事を終えて、ヘヨンの元にデイジーを持って戻るパクウィ。ヘヨンからはパクウィを描いた絵とメモを手渡されます。「私には好きな人がいる」という言葉に深い悲しみと絶望感をパクウィは持ったと思いますが、
「僕はただ、ヘヨンさんの描く絵が好きで・・・・・」と気持ちを押さえて会話を続けます。
ヘヨンの自宅で、ヘヨンが「デイジー畑」の思い出の話などをパクウィに伝えます。そして、「声を失ったことよりもジョンウと会えないことのほうがつらい」とパクウィに伝えます。すると、パクウィはなんと「彼を探そう」と言い出します。男としてはカッコよくて素晴らしいことですが、暗殺者としては??^_^;な場面です。任務を終えた当日または翌日に警察に質問しにいくなんて^_^;。常識ハズレでは、ありますが、こういった行動に出ることからも普通の人では想像できないくらいパクウィはヘヨンを愛しているということが分かります。
そして、ある日、パクウィのハウスボートにヘヨンが招かれることに。このハウスボートに二人で入っていくときの写真が「デイジー PHOTO BOOK」に載っていますが、二人の心の距離感を凄く感じる写真で凄く印象に残りました。パクウィはヘヨンの心に気づいているが、ヘヨンはパクウィに気づいていない・・・・・・写真から凄く伝わってきます。
そして、二人でハウスボートの中へ。その後はいかにも初めて彼女を自宅に招きいれた男性という感じのやや落ち着きのない動作をパクウィはします。^_^;映画「デイジー」はせつない作品ですが、この部分は少しだけ微笑ましく思いました。ちょっとだけ、「トンケの蒼い空」でのチョン・ウソンさんを思い出しました。^_^;

そして、ジョンウがオランダに戻ってきてついに3人がヘヨンの部屋で始めて同時に出会います。厳密には雨宿りのシーンでも一緒の場所ですが、きちんと会ったというイメージはこのシーンが最初で最後かと思います。
通常の映画やドラマの三角関係というのは、3人の中の誰か1人が深い喪失感を抱いたり、悪者にされたりといった展開になりがちですが、クァク・ジェヨンさんはそういったドロドロとした三角関係にはしない傾向にあります。映画「ラブストーリー」でも、ジュヒ(ソン・イェジンさん)、ジュナ(チョ・スンウさん)、テスの3人がお互いがお互いに対して罪の意識を持っているという雰囲気になっていました。「デイジー」でも同じような雰囲気を感じました。3人全員が深い喪失感と絶望感を抱いている感じがしました。
そして、パクウィとジョンウはヘヨンのことではなく、仕事でついに対決することになります。しかし、お互い引き金を引こうとはしません。お互いに相手が引き金を引かないこと、引かない理由もきちんと理解できている感じです。
しかし、「今日の展覧会は二人で行こう」というジョンウの言葉にパクウィは驚いたと思います。もしかしたら、この人なら俺でも親友になれるのでは?という感情が一瞬芽生えた感じがしました。
そして、パクウィがヘヨンの展覧会に行ったシーンに画面が切り替わります。するとチャン刑事のそばで涙を流しているヘヨンの姿が・・・・・・。
「何か?」
とパクウィはチャン刑事に問いかけます。
「ジョンウが殉職しました」
パクウィは驚いた表情をします。しかし、後から分かることですが、この時点でパクウィはジョンウが殺されたことを知っていました。
それから、1年後へと画面は切り替わります。1年経っても、ジョンウがいなくなってしまった悲しみはヘヨンの心に残っている感じです。パクウィは凄く優しくしてくれている感じなのですが、ヘヨンの心の中はジョンウがまだずっといる感じです。
パクウィのナレーションで「彼女に見返りを期待したことはない」というのがありましたが、これがなんとも切なく聞こえました。しかし、それでも、パクウィにとっては以前よりは幸せだったのかもしれません。
そして、ジョンウの墓参りをするヘヨン。そこにチャン刑事が現れます。ジョンウが殺された事件の事をチャン刑事はあれこれと話をします。そして、「車のラジオがクラシック専門の局に変わっていた」という言葉のところでほんのちょっぴりヘヨンが反応します。
パクウィへの疑いの気持ちを持ったヘヨンはパクウィのハウスボートまで行ってしまいます。中に入ろうとしたとき、すぐ後ろにパクウィが立っていました。
「ヘヨンさん、僕に会いに?」
パクウィはちょっぴり嬉しそうです。
パクウィはヘヨンを部屋の中に招き入れると、リモコンを操作して、テレビ画面に映画の1シーンを映します。
「ここが面白いんです。何回も見ました。」
画面の男が相手を見つめ、口を開きかけたときにパクウィが音を消します。
パクウィが台詞を吹き替えます。
パクウィがヘヨンのほうに振り向いて、
「君の唇も読めるよ」
目を輝かせながら、そのように伝えます。
「何か話して。さあ。」
ヘヨンが唇を動かします。
「本当に読める?ですね?」
ヘヨンはぴたりと当てられて驚いた表情。しかし、彼女のために唇を読みとる訓練までするなんてパクウィには本当に頭が下がります。
そして、パクウィのメルセデンスベンツに乗って二人でヘヨンの祖父の家に戻りますが、そこには黒いチューリップが・・・・・・(-_-;)
パクウィの様子がおかしいのをみて、ヘヨンは再びパクウィに対する疑惑を持ちます。そして、再びハウスボートまで行ってついに拳銃とジョンウ・チャン刑事の写真が入っている箱を発見します。
いっぽう、パクウィはボスからチャン刑事暗殺の指令を受けます。
ヘヨンが祖父の家に戻るとパクウィがキッチンで牛肉の下ごしらえをしていました。
「お茶をどうぞ。体が温まりますよ〜」
パクウィはヘヨンの持っている箱に気づいているように見えますが、表情には出さず笑顔のままです。ヘヨンは半端でなくこわばった表情で、じっとパクウィを見つめています。パクウィに警戒の目を据えながらもヘヨンは一口飲みます。
パクウィは向きを変えて、料理の準備を続けます。すると、ヘヨンが抱えていた箱をテーブルに力いっぱいおきます。ヘヨンはおそらく大声で問い詰めたいと思っているのでしょう。しかし、当然のことながら声は出ません。声の変わりにクラシック音楽のCDを再生します。チャイコフスキーのなんともせつない音楽が部屋になり響きます。
「ジョンウの死の直前、クラシック音楽の局に切り替えたのはあなたでしょ!」
と問いかけているというより叫んでいるイメージです。ヘヨンは両手でテーブルの表面を渾身の力をこめて叩きまくります。ついに箱を開けます。そこにはジョンウとチャン刑事のモノクロ写真が・・・・・・。そして拳銃が・・・・・・・。パクウィがゆっくりと振り返ります。ヘヨンはついに拳銃を構えてしまいます。そして、新聞の切抜きを拾い上げます。ジョンウが殺されたときのことが掲載されている新聞です。パクウィは、
「明日、全てが分かる・・・・・・」
とだけヘヨンに告げます。
ヘヨンは頭に血が上っていることと、あまりのショックのためか焦点が合わない顔つきになります。そして、轟音が弾けます。ヘヨンはバタリと倒れます。
このとき少しおかしいと思ったのは、倒れたことをそれほどパクウィが心配している感じではなかったことと、ヘヨンの顔が気絶したにしては穏やかなことです。後から、「デイジー完全ノベライズ」を読んでみると、なんと先ほどのお茶には睡眠薬が入っているではありせんか・・・・・・^_^;。
しばらくして、ヘヨンが目を覚まします。パクウィは?とちょっと探している感じの表情ですが、デイジー畑の絵が目の前にあることに気がつきます。あの夏、橋を架けてくれたお礼に描いた油絵が、テーブルの上に立てられています。
そして、横にあるカードには、パクウィのメッセージが書かれていました。

俺は、ヘヨンさんにたくさんの隠し事をしていました。
俺は暴力と死の世界に生きる人間です。
ヘヨンさんを愛してはいけなかった。
事実を隠すことが君を守ることと信じてきました。
かえって、君を苦しめてしまいました。
今までありがとう。そばにいさせてくれて。
あなたと過ごした時間は、とても幸せでした。
この絵はもうヘヨンさんに返します。
どうか、悲しい思い出はみんな忘れて
この絵を受け取る資格のある人に出会って、
どうか幸せになってください。
おれも元気でいます。
ヘヨンさんもお元気で。さようなら。

上の手紙はあくまでも私の記憶なので正確ではないかもしれませんがご了承ください。m(__)m
ヘヨンはようやく、橋を架けてくれた人、そして、デイジーを贈り続けてくれた人がパクウィだったことを知ります。ヘヨンはデイジー畑の絵を抱えて部屋を飛び出します。草原の中を必死で走るヘヨン。ヘヨンの走り方は、「猟奇的な彼女」の彼女や「僕の彼女を紹介します」のギョンジンのような男勝りのダイナミックな走りではなく、女性らしさを感じる必死の走り。走り方というのは同じ人が演じるとどうしても同じになってしまいがちですが、この辺はさすがチョン・ジヒョンさんという感じです。(゜o゜)そして、パクウィが架けてくれた橋に到着します。なんともいえない表情のヘヨン。ヘヨン本人も映画を見ている人たちも様々な光景が蘇ってくる場面だと思います。そして、ヘヨンは必死の思いでヒッチハイクをして、パクウィのところに向かおうとします。なんとしてもチャン刑事の暗殺を止めなければ・・・・・・。これ以上の罪をパクウィが犯さないようにしなくては・・・・・・。その思いがすごく伝わってくる映像です。
その頃、パクウィはチャン刑事の暗殺に向けてすでに準備は整いつつある状態。もし、ボスの指示通りに動かなければ、ヘヨンにも危険が及ぶかもしれない・・・・・・。そういった思いも間違いなくあるのでしょう。
いっぽう、ヘヨンはチャン刑事のところに向かって必死になって走り、チャン刑事のコートをつかまえます。自分がチャン刑事のすぐそばにいればパクウィは撃てないだろう・・・・・・そう思っているのだと思います。ヘヨンは声は出ませんが、必死になって口を動かし叫び続けます。
パクウィは驚き、引き金にかけた指が止まります。目を凝らしてスコープでヘヨンをみつめます。
「やめて!やめて!」
「この絵が見える?私は幸せだった。この絵は私があなたのために描いた絵よ!」
ヘヨンは泣き顔になりながら、必死に口を動かし続けます。
「ごめんなさい!あなたに気づかなくて!」
心の底から罪の意識が込み上げてきたヘヨンは自分を責めながら、さらに口を動かし続け、デイジー畑の絵を上に持ち上げようとします。
「ずっと、あなたを待っていたの!」
パクウィはヘヨンの唇の動きをしっかり読みとりました。
私服の警察官たちに押さえられながらも声にならない声を上げ続け、その場にとどまろうとするヘヨン。そこに、静かな声で、
「ヘヨンさん」
と声をかけられます。
見るとパクウィの姿が。
「ごめん・・・・・・・愛してはいけなかった・・・・・・君の幸せを願ったのにかえって苦しませてしまった・・・・・・ジョンウさんを死なせてしまってごめん・・・・・・」
気づいてあげられなかった罪の意識とパクウィに対する愛情が混ざったなんともいえない表情でパクウィをみつめるヘヨン。
そのとき、何かが光ります。ヘヨンの瞳が一瞬ですが、それをとらえた感じです。とっさにパクウィに抱きつこうとします。銃声とともにヘヨンの体が何かに押されたようにパクウィの体に飛びつきます。ヘヨンが撃たれてしまったことにパクウィは気がつきます。パクウィはヘヨンに大声で声をかけながら、安全な場所を探し走り続けます。そして、オブジェの後ろに飛び込みます。ヘヨンがうっすらと目を開け、パクウィの顔に手を伸ばします。運命の人の顔の感触をしっかり焼き付けよう・・・・・・そんな思いが伝わってきます。ヘヨンの目が閉じられ、腕の力がなくなった後もパクウィは叫び続けます。
「もう一度やりなおそう!もう一度出会ってはじめよう!」
この言葉からパクウィにとって、どれだけ辛い恋だったのかということが思いっきり伝わってきます。
そして、パクウィはハウスボートに戻り、ヘヨンに電話します。もちろん、つながるはずもなく、留守電から二度と声を聞くことも会うこともできないヘヨンのこの世に唯一残された声が流れます。つながるはずのない相手に電話をかけるというシーンはクァク・ジェヨンさんが関わっている作品では結構あります。「猟奇的な彼女」や「僕の彼女を紹介します」でも、同じような場面がありました。なんともいえないせつなさがあります。そして、パクウィはボスのビルへの突撃を決意します。「甘い人生」のソヌ(イ・ビョンホンさん)を思い出す感じの突撃です。
激しい銃撃戦の末、ボスのいるところまで後少しというところまで進みます。そこで、ヘヨンとジョンウの命を奪った男が登場。激しい撃ちあいの末、その男もパクウィは撃ち殺しました。
そして、ついにボスの部屋へ。パクウィ、ボスともに銃口が相手をとらえています。画面は建物の外に移り、銃声がこだまします。
このまま映画終了かと思ったら、最初の雨宿りの場面がもう一度映し出されました。最初の映像では、ヘヨンの視点でしたが、今度はパクウィの視点になっている感じです。雨がやみ、ひさしの下からヘヨンが一番に飛び出していきます。ヘヨンのはつらつした姿にパクウィが笑みをこぼします。続いて、ジョンウとチャン刑事が韓国語で話しながら歩き出します。
「あの看板の意味分かるか?どんな未来も変えられる!」
ノベライズを呼んで分かりましたが、パクウィはこの言葉を聞いてヘヨンにデイジーを届けることを決意したそうです。そうすることで、暗黒の世界にいる自分の未来も少しは変わるかも?と思ったのでしょう。

映画「デイジー」は印象的なシーンは数多くありますが、その一つにパクウィがヘヨンのために橋を架けたというシーンがあります。
予告編やMVなどで観たときは、「彼氏が彼女のためにやってあげたことが、この作品では橋を架けることデイジーの花を贈ることという設定になっている」というくらいにしか思っていませんでした。しかし、作品をきちんと観ると、オランダで祖父以外の身寄りがなく孤独な生活を送っていて、誰からも助けられたり、心配されたりということがあまりなかったヘヨンという人物が初めて人からやってもらったことがこの橋を架けるということだったということに気がつきました。普通の人が同じことをやってもらったのの何倍もヘヨンは嬉しかったのだと思います。
「カムサハムニダ〜Thank You!」
ヘヨンのこの言葉は一度目のときは微笑ましく思いましたが、二度目に映画を観たときはなんともいえないこみ上げてくるものがありました。(T_T)
そして、パクウィは暗黒の世界に身をおいているので、「カムサハムニダ〜Thank You!」という言葉は二度とかけてもらうことなどないだろうと思っていたのではないかと思います。しかし、ヘヨンがその言葉をかけてくれました。パクウィの喜びも普通の人では考えられないくらいの喜びだったと思います。(T_T)
全体的にいいシーンの連続で、このシーンはなかったほうが良かったというシーンはありませんでした。
映画「デイジー」は重さと深さが凄くある作品でした。ストーリーもほとんどの部分は自然に受け止めることができました。
一部の方から「ストーリーに無理がある」との声が出ていますが、それはどうでしょう?
人それぞれ意見は異なると思いますが、ストーリーに無理があるということだけに限定すれば、「僕の彼女を紹介します」や「猟奇的な彼女」のほうが無理があるかと思います。^_^;
彼女のキャラクターは非現実的ですし、ミョンウの死に方なども自然だったとはいえないと思います。
しかし、もちろん両作品とも現実とは異なるからこその面白さと魅力があったと思います。
それに対して、繰り返しになりますが、「デイジー」は殺し屋という存在が恋愛に関わっているため、ハッピーエンドにならないのは自然な流れだと思います。
もし、ヘヨンが撃たれずに二人であの後、幸せな生活を送っていたなんていう設定になっていたら、思いっきり非現実的で感情移入できなかったと思います。
そして、ヘヨン・パクウィ・ジョンウという3人のキャラクターは実際の世の中にも十分存在する可能性のあるキャラクターだと思います。もちろん、実際の世の中にいるしても職業などは異なってくると思います。^_^;しかし、この3人のような感情を持った人はおそらくいるでしょう。
「内に秘めた心」の美しさを持っている人は結構たくさんいるのではないでしょうか?
そして、この3人を演じたチョン・ジヒョンさん、チョン・ウソンさん、イ・ソンジェさんはこれまでの作品でも素晴らしいものがありましたが、「デイジー」という作品で演じたヘヨン・パクウィ・ジョンウというキャラクターは3人に本当にはまっていると感じました。同じような立場になったら、チョン・ジヒョンさんはヘヨンと同じよう行動をチョン・ウソンさんはパクウィと同じような行動をイ・ソンジェさんはジョンウと同じような行動を本当にするのでは?と感じました。
この3人をキャスティングしたアンドリュー・ラウ監督とチョン・フンタクプロデューサーはさすがだなあという感じです。それから、アンドリュー・ラウ監督の作品の描き方はバランスがとれていて凄く良いと思います。「頭文字[イニシャル]D THE MOVIE」のときにもバランスのとれた作品を作る監督さんだなあと思ったのですが、今回も同じような印象を持ちました。(^_^)

映画「デイジー」は本当に重さと深さが半端でなくある作品なので、理解できる人と理解できない人が出てくるのは仕方がないとは思います。しかし、たとえば、「猟奇的な彼女」のような作品は、私を含めて全く韓国映画に興味のなかった人を取り込むということでは最高作品だと思うのですが、「猟奇的な彼女」のファンの人たちが10年〜20年と月日が経って歳を重ねた後、
「あのときの「猟奇的な彼女」っていう映画良かったね〜」
と語り合えるかどうかは少し疑問に思うところがあります。^_^;
しかし、「デイジー」ならば、10年〜20年経過して、歳を重ねた後も、
「あのときの「デイジー」っていう映画良かったね〜」
と多くの人と語り合えるように思います。
画家のゴッホも生前はあまり絵を評価されていなかったということを聞いたことがあります。^_^;
それと同じようにおそらく、現在、映画「デイジー」を理解できてない方でも、理解できるように変わってくる場合もある、そんな作品のように思いました。(*^_^*)

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この記事へのコメント
こちらにもお邪魔します♪
素晴らしいですね。何度かご覧になられてのレビューでしょうか。原作も読むとより理解が早いでしょうけれど。
私にはオランダという地とチャイコフスキーの舟歌が大好きでこの作品を見たようなものでしたが、かなり俳優さん達の演技は良かったなと思いましたよ。
アナザーバージョンを見て更にぐっときました。
アクションシーン等は物足りなさは多少ありますが、主役3人にいたっては抜群のオーラだったと思ってます。
また読ませてくださいね。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
charlotte
charlotteさん、こんばんは\(^o^)/
チャイコフスキーの曲いいですね〜(^_^)
私もかなり気に入りました。(^_-)-☆
アクションに関してはそうですね〜^_^;
韓国映画の最高レベルではないと思います。^_^;
アクション的に優れている韓国映画はイ・ビョンホンさん主演の「甘い人生」やクォン・サンウさん主演の「マルチュク青春通り」などがあげられます。(^_-)-☆
ぜひ、ご覧になってください。(^_-)-☆
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。m(__)m
たやけん
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